ナノサイエンスの医療分野への応用に力を入れる東北大学

21世紀COEプログラム「バイオナノテクノロジー基盤未来医工学」や「東北大学先進医工学研究機構」などのプロジェクトを立ち上げている東北大学。

片平キャンパス

なかでも医療技術に応用が可能な新材料を予測・設計、開発し、これに続いて新規計測技術を確立する「ナノサイズ・センシングカプセルの新規開発と医療応用(主任:大内憲明教授)」が注目を集めています。

研究チームは、大内教授をはじめ、金属材料研究所の川添教授、先進医工学研究機構の樋口教授、大学病院の武田助教授、学際科学研修センターの粕谷教授、加齢医学研究所の佐竹教授など、東北大学の専門領域を越えた多彩な顔ぶれとなっています。

同プロジェクトは、厚生労働省が指定する萌芽的先端医療技術推進研究事業のナノメディシン分野において採択されています。

粕谷・川添両教授を中心とする材料開発チームは、直径1nm程度のカドミウムセレンのナノ新材料を開発し、これをセンシングカプセルとして病変の視覚化に利用するなど、医療分野で実用化するための研究を進めています。

また、樋口教授らのグループは、乳がん細胞に付着したカドミウムセレンのナノ粒子を体外からレーザー照射することで、高感度蛍光イメージングする手法に成功しました。幹部の詳細を体外から観察が可能となるため、将来は患者の負担を軽減しながら、リアルタイムでの診断ができると期待されています。また、手術の際にがん細胞の転移範囲を把握する際にも利用されています。

これらの視覚化技術の実用化には、静脈注射によってなの微粒子を病変部に正確に運ぶ技術が不可欠なため、将来的にはナノセンシングカプセル技術が、ドラッグ・デリバリーシステム(DDS)へ応用されることも考えられています。センシングカプセルをキャリアとして抗がん剤と結合させることができれば、病変の判定・視覚化と同時に治療も行なうことができます。